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ブランディングで看板を磨け!実店舗のブランド力向上への第一歩

実店舗を経営する上で、立地や商品・サービスの質はもちろん重要ですよね。
でも、それだけではその他大勢に埋もれてしまい、十分な集客や売上につながりません。
そこで欠かせないのが「ブランディング」なのです。消費者の心に訴え、選ばれる理由を生み出す仕掛けこそが、実店舗経営における鍵となるのです。

本記事では、実店舗がブランディングを行う意義と重要性、そして有名店の具体的な事例からその効果を解説します。
立地などの制約がある実店舗こそ、ブランディングに注目し、商圏を越えた体験価値の提供を目指す必要があります。

【ブランディングとは】

ブランディングとは、商品やサービスに個性と魅力を与え、消費者の心に刻み込む活動のことです。単なるロゴやキャッチコピーの作成ではなく、企業のコンセプトや想いを伝え、価値を高めていく重要な経営戦略なのです。

具体的なブランディングの手法は様々ですが、大きく分けて3つのポイントがあります。

1 ブランドコンセプトの明確化

店舗がどんな価値を提供したいのか、どんな顧客に響きたいのかという根本的な部分をしっかりと定義すること。

2 ブランドストーリーの構築

コンセプトを具体化し、事業の想いや背景、こだわりなどを物語として表現すること。

3 VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の実践

視覚的な演出を行い、店舗の個性やストーリーを体現すること。

これらによって、単なる「物件」ではなく、独自の世界観や体験を提供できるブランドへと進化することができるのです。

【ブランディングの意義と効果】

それでは、実店舗がブランディングを行う意義と効果とは何でしょうか。主に3つの点が挙げられます。

(1) 差別化と認知度向上

立地や商品・サービスの似通った競合他社から、自社の個性と存在感を際立たせられます。消費者にとっても、選びやすく、記憶に残りやすくなります。

(2) 価格耐性の醸成

体験や世界観といった付加価値を提供できれば、価格以外の要素で選ばれるようになります。低価格競争に巻き込まれずに、収益の確保が可能になるのです。

(3) 顧客とのエンゲージメント強化

物語性や体験の提供を通して、顧客との深い紐帯が生まれます。リピーターの増加や口コミの広がり、ファンの獲得にもつながります。

成功事例1 : 「タリーズコーヒー」のブランディング

ブランディングの成功例として、「タリーズコーヒー」がよく挙げられます。同社はアメリカ西海岸をイメージした店舗コンセプトと、心地良い空間演出で、”ほっとする時間を過ごせる場所”というブランドストーリーを確立しています。

具体的には、店内の照明やBGMはもちろん、温かみのある木製の什器や広々とした店内レイアウトなど、細部にまでこだわりが行き届いています。また、接客やロゴデザインなどでもストーリーが貫かれており、いわば「アメリカの高級リゾート地に佇む、隠れ家的カフェ」の世界観が体現されているのです。

こうしたブランディングの結果、タリーズは単なるカフェではなく、非日常的で上質な空間としての認知を獲得し、価格競争から切り離された高い収益力を実現しています。

成功事例2 : 「ロクシタン」の体験価値の演出

ブランディングの効果的な事例として、化粧品ブランド「ロクシタン」の実店舗も注目に値します。同社は、プロヴァンス地方の太陽と大地からインスピレーションを受けた製品を展開していますが、その世界観を店舗でも体現しています。

店内には南フランスの街並みをイメージした小道が再現され、黄色や緑の暖かみのある色調とプロヴァンス地方の雰囲気が醸し出されています。壁に掛かった絵画や小物、流れるBGMなども相まって、まるで南仏の村に迷い込んだかのような錯覚を覚えます。

更に、シャンプーやボディクリームのテスターを手に取って香りを体験できるだけでなく、手作りのスクラブ体験など、製品に直接触れる機会も多数用意されています。消費者は単に製品を「買う」のではなく、ロクシタンの世界に浸かり、五感で体験することができるのです。

このようにロクシタンではブランドストーリーを徹底して店舗空間に落とし込むことで、製品への信頼感や特別感を高め、リピート客の獲得や一人当たりの客単価の向上を実現しています。

つまり、実店舗におけるブランディングとは、商品やサービスに想いや物語を添えて、心に残る体験を提供することなのです。そうすることで、単なる売り場から、ブランドを体現する場所へと進化し、差別化と収益力の大幅な向上を狙えるのです。

まとめ

私たち実店舗経営者は立地や価格での競争に頼らず、ブランディングによってその先へと進む必要があります。単なる売り場から、想いや物語のこもったブランドの拠点へと昇華させることで、地域に埋もれずに顧客の心に響き、自店の存在感と収益力を高めることができるのです。

有名企業の事例で確認したように、ブランディングは製品やサービスの質を超えた付加価値を提供する潮流となっています。今後、実店舗がお客様の選んでいただける理由は、単に立地や価格に求められるのではなく、提供する体験価値にあることでしょう。

そのためにブランディングは不可欠な経営戦略なのです。来る9月3日にオンラインで実施するブランディング講座では、ブランドコンセプトの立て方、ストーリーの描き方など、総合的なブランディングの手法を学ぶことができます。業種や業態を問わず、実店舗経営のすべての方々に、この機会を活かしていただきたいと思います。